文献にみる戸隠     語句検索
 古い文献に現れた戸隠信仰関係の記述を紹介し、その性格について触れ、年表形式で表してみました。出来事の時点ではなく記述された時点です。戸隠独自の文献は所蔵文献資料を参照。
 平安時代
      中 期   能因歌枕 能因は歌人(988〜?) 歌枕のひとつとして記載。
    1180   梁塵秘抄  後白河法皇編。 諸国の霊験所のひとつとして記載
    1132   拾遺往生伝(長明) 三善為康著。釋長明の焼身。
    1186   吾妻鏡 文治二年三月十日の項。
 鎌倉時代
  走湯山縁起 遅くとも鎌倉時代に成立か。走湯山權現が戸隠に来臨。
         平家物語1 百二十句本。時代は特定しがたい。天の岩戸、戸隠に落ちる。
  平家物語2 「文覚荒行」の段。文覚修行の山々の一。
  神皇実録  13世紀後半か。手力雄尊を思兼命の御子とする。
  太平記 1370年頃成立。多田満仲が戸隠山の鬼を切る。
    1275   阿娑縛抄 蛇と龍の間。戸隠最古の縁起。
    1283   沙石集 無住一圓著。小兒の忠言の事。
    1322   元亨釈書(長明) 虎関師錬著。釈長明の焼身。
  元亨釈書(法燈国師) 虎関師錬著。法燈国師の母。
    1325   三千院文書1 山城三千院の荘園・所領等
  1337〜1338   元元集 北畠親房編著。神皇実録を踏襲。
 室町時代
 室町期年不詳   遊行縁起 応永二十三年(1416)の項に九頭龍権現の記事。
 室町期年不詳   庭訓往来註 初級教科書の註。天の岩戸、戸隠に落ちる。
 室町期年不詳   神道集 「諏訪大明神の五月会の事」。官那羅の話。
 室町期年不詳   紅葉狩 謡曲。平維茂、戸隠山で鬼を討つ
    1350以前   玉置山權現縁起 日本国在十柱王子の内の智羅神通天狐は戸隠山。
    1365   諸国檀那願文帳 熊野本宮大社所蔵。戸隱山中院義養坊。
    1373   天台圓宗四経五時名目 別名「戸隠名目」「津金寺名目」良慶著。
    1377   尊卑分脈 この年に編纂始まるも後世多々増補改訂
戸隠別当栗田禅師の系図
    1382?   鷲峰開山法燈
   円明国師行実年譜
自南聖薫著。法燈国師の母。
    1465   善光寺記行 作者堯惠は、白山系の修験者。寛政6(1465年)加賀から信濃善光寺に詣でて『善光寺記行』を著す
    1466   大塔物語 善光寺における戸隠山山伏の点描。
    1474以前   節用集 古辞書。天の岩戸、戸隠に落ちる。
    1492   拾芥抄(写本) 原本は鎌倉中期と思われる。
    1517   紀州由良鷲峯山
   法燈円明国師之縁起
法燈国師の母。
    1542 小菅山八所權現并元隆寺来由記 小菅山八所権現の内に戸隠權現がある。
    1564   謙信八幡宮願書 上杉輝虎の八幡宮(武水別神社)への願書
    1564   上杉輝虎願文 上杉輝虎の弥彦神社への願文。武田晴信悪行之事。
    1567   仁科盛政起請文 生島足島奉納。武田信玄への忠誠を誓う。
    1571   運歩色葉集 原本は天文16〜17(1547〜1548)頃成立か。
    1582   廣厳大通禅師譫語集 文中に戸陰山とあるが戸隠山かは疑問の余地あり
    1585   三千院文書2. 顯光寺再興について
 江戸時代
  江戸初期か?   戸隠山絵巻(とかくし山) 謡曲「紅葉狩」系列の絵巻。
  江戸前期か?   月刈藻抄 小兒の忠言の紹介
  江戸期年不詳   元要記 戸隠神社の項目がある。後鳥羽院勅撰と称する。
  江戸期年不詳   円空の戸隠の神の歌 円空の歌なるも時期は不明。
  江戸期年不詳   戸隠山顕光寺略縁起 外題は「戸隠山略縁起」だが西尾市岩瀬文庫蔵とは別物
  江戸期年不詳   戸隠山略縁起 西尾市岩瀬文庫蔵。九頭龍と弥勒信仰に触れている。
  江戸期年不詳   諸国神名帳 戸隠明神について
  江戸期年不詳   寺格帳 戸隠山勧修院の寺格
  江戸期年不詳   御朱印写 寛文五年の御朱印
  江戸期年不詳   木曽路名所図会 書き込み 戸隱の山桜花について
  江戸期年不明   山椒大夫 誓文中に戸隠明神とある
  江戸期年不明   豊能嶋神社由来 江戸湯島天満宮の縁起。地主神戸隠大明神について。
  江戸期年不明   いぶき山 古浄瑠璃。十七世紀後半か。酒呑童子に「紅葉狩」の
  江戸期年不明   付合考 「ひさご」の中の「木の本」の付合を評した柳津魚潜の著。
  江戸末期   中陵漫録 佐藤成裕著。徳七天狗談。
  宝暦の頃   きんときおさなだち 坂田金時の戸隱山での鬼退治。赤本。
    1612   本光国師日記1、2 慶長17年の戸隠山朱印状関係。
    1613   本光国師日記3,4,5,6 国師への贈答礼、別当交代、知行等について。
  寛永年間   仁物語勢 「紅葉狩」のパロディー。
    1628   本光国師日記7 秀忠病気平癒祈願所について
    1635   寛永日記1 将軍家(家光)への月例御礼(寛永12年2月1日)
    1636   寛永日記2 将軍家(家光)への月例御礼(寛永13年2月1日)
    1638〜1645   本朝神社考 著者の林羅山は儒学神道の先駆け。
    1639   寛永日記3 将軍家(家光)への月例御礼(寛永16年2月1日)
    1640   寛永日記4 将軍家(家光)への月例御礼(寛永17年2月1日)
    1641   寛永日記5 将軍家(家光)への月例御礼(寛永18年2月1日)
    1642   拾芥抄(刊本) 原本は鎌倉中期と思われる。
    1651   惺窩先生文集 藤原惺窩の詩文集の中で余呉(維茂)に言及
    1658   紅葉狩(平のこれもち) 浄瑠璃。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1658   三社託宣鈔 岩戸開きの個所に戸隠の明神
    1659   甲陽軍鑑 天正元年五月、武田勝賴、継目狀を戸隠に下すとのこと。
    1659   六孫王経基 源満中の戸隠山の鬼神退治。金平浄瑠璃。
    1660   酒呑童子若壮 古浄瑠璃。酒呑童子は戸隠明神の申し子。
    1664   神社便覧 白井宗因著。戸隠神社の紹介。
    1666   伽婢子 信玄の足軽大将・多田淡路守が戸隠山の鬼を斬る。
    1669   和論語 鎌倉時代の清原良業編ということになっている。
    1679   旧事本紀大成経 聖徳太子編纂という。手力雄命が戸隠に鎮座。
    1679   東叡山寛永寺
    元三大士縁起
胤海撰述。戸隠の観音籤の由来。
    1679   万天日録1  将軍家への年頭御礼(延宝七年2月1日)
    1680   万天日録2 将軍家への年頭御礼(延宝八年2月1日)
    1681   万天日録3 将軍家への年頭御礼(天和元年2月1日)
    1682   万天日録4 将軍家への年頭御礼(天和二年2月1日)
    1683   万天日録5 将軍家への年頭御礼(天和三年2月1日)
    1685   本朝孝子伝 藤井瀬斎編。信州ノ孝子。
    1685   本朝諸社一覧 戸隠社の紹介及び志津社で戸隠明神に言及
    1687   武道伝来記 井原西鶴著。戸隠に隠れ住む敵を討つ。
    1688   東国高僧伝(長明) 高泉性著。長明の焼身。
    1690   日本行脚文集 貞享三(1686)、戸隠訪問の記事。
    1690  寺院社家山伏行人御改書上写 戸隠周辺各村所在の戸隠山伏
    1691   日本鹿子 磯貝舟也著。旅行案内記。
    1694   和爾雅 辞書。貝原好古著
    1696   黒瀧潮音和尚年譜 大成経首謀者の戸隠訪問。
    1696   越遊行嚢抄 戸隠は本来は神主持ちとの主張が記されている。
    1702   本朝高僧伝 卍元師蛮著。法燈国師の母。
    1708   新撰紅葉狩 浄瑠璃。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1711   北越軍記 永禄十一年、謙信が戸隠で信玄の願書を見るとのこと。
    1712   和漢三才図会  江戸時代の百科事典。
    1712   寿福年代記大成 孝元天皇五年手力雄命戸隠へ遷座
    1714   狩剣本地 浄瑠璃。近松門左衛門作。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1715   高田開山
    親鸞聖人正統傳
良空述。正徳五年。
    1715   広益俗説弁 井沢蟠竜著。「紅葉狩」「信濃国の孝子」についての見解。
    1715   笈之若葉 摩詰庵雲鈴著。正徳五年の戸隠訪問記。
    1715   大日本史 維茂について。
    1716
     享保年中?
  猿楽伝記 能の「翁」の脇師は戸隱の神
    1717以後   興福寺濫觴記 春日社末社之事として戸隠明神に言及
    1722   一宮巡詣記 全国の一宮を巡詣した紀行文。著者橘三喜は、橘神道を唱道。
    1724   信府統記 奧院仁王門(現奧社随神門)における火防の祭りの記述あり。
    1727   北国曲 句の前書きに戸隠山
    1728?   園遺編 荻生徂徠著。秋葉山の祠は戸隠山神の別祠。
    1731   更級紀行 僧 似雲・三井武勝著。
    1742   寛保二壬戌歳満水 松代藩士原氏正盛著。 戌の満水の記録。
    1744   信陽雑記 「旧事本紀大成経」を祖述。
    1746   本朝俗諺志 諸国の奇談集。
    1749   花楓剣本地 浮世草子。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1753   千曲之真砂 瀬下敬忠編述。
    1756   平維茂凱陣紅葉 浄瑠璃。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1771   天台霞標(長明) 金竜敬雄・羅渓慈本編著。長明の焼身。
    1773   信濃地名考 吉沢好謙著。
    1774   善光寺詣 瀬下敬忠著。奧書に1773年の日付を持つものもある。
    1783   わがこころ 菅江真澄著。戸隠のささ竹について。
    1784   来目路乃橋 菅江真澄著。1784年7月26日の項に戸隠参詣記録。
    1786   五十槻園信濃
      檀会日記
荒木田久老の檀家廻りの記録。「荒木田久老信濃下向日記」「五十槻園旅日記」とも。
    1795   旅のくちずさみ 坂本栄昌著。草津温泉への旅行記。
    1795〜   譚海 津村淙庵著。
    1797   東遊記(後編) 橘南谿。 角書きに諸国奇談。
    1801   遠山奇談(後編) 「本朝俗諺誌」(1746年)とほぼ同内容。
    1803    二十四輩順拝図会 了貞著。親鸞の御旧跡二十四輩の来由。
    1803   本草綱目啓蒙 小野蘭山口述。戸隠山の四足あるヤマカゞシ。
    1804   聖徳太子遺墨記 千丈実巌著。「幽谷余韻」所収。
    1805   倭訓栞 谷川士清著。辞書。
    1807   一茶小紀行文 小林一茶著。戸隠の一句。
    1811   朝陽館漫筆 鎌原桐山著。文化八年の出開帳と居開帳。
    1811   七番日記1 小林一茶著。
    1813   七番日記1-2 小林一茶著。句一句。
    1816     応請摂化日鑑 徳本行者の戸隠での化益。
    1816   ふでのまにまに 菅江真澄著。戸隠というより志垣村、鬼無里等について。
文政年間1818〜1831   北越雑記 長沼寛之輔著。高田藩中の戸隠山への入会。
    1818   七番日記2 小林一茶著。
    1819   上信日記 清水浜臣著。上州と信州の旅日記。
    1819   おらが春 一茶著。戸隠山の一句。
 1821〜1841   甲子夜話 松浦静山著。大男、糝糖、高山、巨猫のこと。
    1822   戸隱善光寺往来 十返舎一九著。
    1823   卯花園漫録 石上宣績著。 『甲陽軍鑑』中の信玄戸隠願文について
    1824   鬼無里行紀 千丈実巌著。「幽谷余韻」所収。
    1825   古史伝 平田篤胤著。天の岩戸と戸隠について。
    1825   文政句帖 小林一茶著。句三句。
  18251831   傾城水滸伝 合巻。謡曲「紅葉狩」に言及。
    1827   寺社書上 湯嶋寺社書上 湯島天神の項に戸隠大権現関係あり
    1827   紅葉狩吾嬬錦絵 合巻。墨川亭雪麿作。謡曲「紅葉狩」の趣向。
    1828   秋山紀行 鈴木牧之著。秋山郷の民家の戸隠の御札、
 天保(1831)の頃か   戸隠山記 中村元起著。『蕗原拾葉続巻百八十六』所収
    1833   俳諧苔の花 野崎巴明編。戸隠山に登って一句。
    1834   信濃奇勝録 井出道貞著。明治19年に孫の通が出版。
    1836   江戸名所図会 湯島天満宮内の湯島神社を戸隠明神と称す
    1836   踏雲録事 蔧日行智著。戸隠開基は利修仙人。
    1836   大扶桑国考 平田篤胤編著。投げの松について
    1837  東都歳時記(江戸歳時記) 湯島天神の地守神の戸隠明神
    1842   慊堂日暦 松崎慊堂著。知人が戸隠登山。
    1844   重修本草綱目啓蒙 海松子について(投の松)
    1847   むしくら日記 河原綱徳稿。
    1847  弘化丁未春三月二十四日
    信州大地震山頽川塞堪水之図
善光寺地震被害図。弘化四年 原昌言編。
    1847  弘化丁未夏四月十三日
    信州犀川崩激六郡漂蕩之図
   
善光寺地震被害図。弘化四年 原昌言編。
    1848  大日本国中ふ志ぎくらべ 弘化三年刊。番付表中に九頭龍関係あり。
    1849   善光寺道名所図会 豊田利忠著。
    1850   武江年表 斎藤月岑著。 宝暦五年と文化八年の江戸出開帳。安政六年湯島天満宮と地主戸隠明神の祭礼。
    1852   幽討余録 曽我耐軒著。飯綱の天狗の話であるが、戸隠山に妖神祠ともいう。
    1855   西遊草 清川八郎著。旅日記。
    1860   科野さゞれ石 橘鎮兄著。江戸末期の口承集。
    1862   天台霞標 羅溪慈本編著。
    1867   徳本行者伝 文化十三年の徳本行者の戸隠での化益を逸話的に。
  1864〜1865    掫 觚 河野鐵兜著。元治年中か。