久山館

　神仏習合の時代、現在の久山館は別当職として「戸隠山顕光寺」をお守りし、信濃天台派の中核をなしておりました。やがて天台・真言両派の争い、戦国の争乱、徳川家の手厚い保護政策と、歴史の変遷を経て、明治の神仏分離以降、神官として戸隠神社に奉仕いたしております。境内には「守護不入の地」の碑が建ち、歴史のよすがをしのばせます。

　久山館に祀られている御神殿です。

　おもむきある本館は風格ある神殿造り。武者小路実篤氏や歴代首相なども宿泊された、歴史ある旧本館の様式を受け継いで、昭和初期に再建されました。存在感ある柱・梁に囲まれたゆったり広い空間で、日頃の喧騒を忘れておくつろぎいただけます。
　 本館広間からは、浮世絵師・河鍋暁斎が滞在中、精神修養に打たれた滝を望むことができます。桃山風庭園の散策もお楽しみください。

　豊富な山菜・木の芽を生かし、梅漬けや漬物なども含め、すべて手づくりで季節感あふれるお料理を提供させていただいております。手打ちそばの味わいもぜひお楽しみください。

　当家秘仏として御厨子の扉を開けることなく安置されてきた「九頭龍弁財天」様の像が、約130年の封印を解かれてよみがえりました。戸隠修験道全盛の時代から崇敬されてきた神々しいお姿は、写真でお見せすることはかないませんが、当館でご拝観いただけます。ご祈祷をご希望の場合は事前にご予約くださいませ。