金輪院今井旅館

　私の家は本来「奥院衆徒（おくいんしゅうと）」と呼ばれ、以前には戸隠神社奥社のすぐ近くに生活しておりました。現在は中社にて講の皆様や観光に訪れるお客さまをお迎えしています。

　現在の神殿がある「本屋（おもや）」は、今から270年前に建てられた大変古い建物で、当時の家族制度や身分制度がしのばれる造りとなっています。また幅1間（1.8ｍ）の畳廊下には27枚の畳が敷かれ、独特の雰囲気をかもしだしています。

　今、「戸隠そば」は全国的に有名になり、毎年大勢の「そば通」の皆様が賞味に訪れてくださいます。もともと「戸隠のそば」は私ども宿坊にお泊まりいただいたお客さまの夕食時に、さまざまお料理と適度のお酒の後の食事として考えられていました。その調和のほどよさが大変喜ばれ、今に伝わって来たものです。
　 コンベアに乗って出て来たものを慌ただしく食べるというような現代風の「おそば」ではなく、あるじ自らが手打ちし、ゆったりとした気分の中で食していただける本当のおそばの復活を試みています。ぜひ一度「宿坊のおそば」を召し上がってみてはいかがでしょうか。