種池 |
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6月の巳の日に行われる種池祭の時に、ここで御祭をします。 流れ込む川もない種池です。 「戸隠霊験譚」より 以前、申年の秋のころ、越後国頸城郡の藤崎と百川という二つの村から奥院安住院へ請雨の祈祷を頼みにきたので、深く祈念して種ケ池のお水を与えた。この水は種水といって道中でも下に置くことはできず、一七日の間、施主の方に置いて祈り、七日を経れば当山へ持ち帰って種ケ池へ戻すことになっている。 百川村で三日と半日祈ったが空は晴れ渡り雨の降る様子もみえないので、藤崎村からお水を受け取りに来たので村境の川岸まで百川村の者どもがお水を持参し、ここで藤崎村の者へ渡したら、たちまち雲が起こりおびただしく雨が降り出したので、みんなして喜び合った。けれどもこの二つの村以外はちょっとした小雨であったという。不思議なことである。 |