硯石 |
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遊歩道を登りきったところに硯の形をした大きな岩が現れます。これが硯石です。鬼女紅葉の手下、女賊おまんが戦いの後硯石に溜まった水に映った自分の形相の恐ろしさに出家したとか、この水で手習いをしたなどともいわれています。 戸隠は鬼の名所でもあり源氏の祖先、多田満仲が鬼を切ったという話が「太平記」にあります。鬼女紅葉はもともと戸隠山の鬼でしたが根城であった隣の荒倉山の方が有名になってしまいました。紅葉が平維茂に退治されたとき、女ながら七十人力の怪力だった手下のおまんは落ち延び、戸隠の僧の手で尼にしてもらった上で自害します。そのおまんと大きな硯のような岩が伝承として結びついたのでしょう。 |