牙笏

重要文化財 昭和41年6月11日指定

法量 全長34.8センチ 上部幅4.5センチ 下部幅4.72センチ 上部厚さ1.15センチ 下部厚さ1.2センチ

大宝令寺で定められた古代の牙笏で、五位以上は牙笏、六位以下は木笏。始めは備忘のための紙を貼って用いたが、後に儀式や神事で威儀を正すために用いた。
この種の類品は少なく、正倉院に三枚(象牙製二枚、鯨の骨製一枚)、法隆寺に伝来し現在は東京博物館蔵の一枚(鯨の骨製)、河内道明寺天満宮に伝わる菅原道真の遺品の一枚(象牙製)が知られているだけである。
年次の特定は難しいが、平安時代の物と思われる。ただ、正倉院の「通天笏」といわれるものと全く同形であることに興味がひかれる。